同行避難知ってますか?災害発生時、ペットとの避難はどうしますか?

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平成29年度の全国犬猫飼育実態調査の結果を見ても、犬が892万頭、猫が952万6千頭が全国で飼われているように、今や3世帯に1世帯はペットを飼っているといわれています。ペットは家族の一員であるという意識は今や当たり前ですよね!

昨今、東日本大震災や熊本地震、日本各地での火山活動、また大雨や台風による洪水被害など、天災が続いていて心配ですよね。
そこで、私たちが考えておかなければならないのは、ペットとの避難の問題です。家族の一員であるペットを連れて避難所に避難できるのでしょうか。

ペットの同行避難とは、「災害発生時に、飼い主が飼育しているペットを同行し、避難場所まで安全に避難すること」をいいます。避難所での人とペットが同一の空間で居住できることを意味するものではありません。

飼い主が避難所生活になった場合、飼い主が自宅に定期的に食事などの面倒を見に行ける状態ならば、同行避難をしなくても済みますが、自宅に置いてきた時、ペットの命が危険にさらされる可能性がある場合には、飼い主としては何としてでも一緒に連れて避難したいですよね!

災害時に自宅に置いてきたペットが心配で、家に戻った飼い主が二次災害にあったり、避難所にてペットの同行避難を断られた飼い主が、車中泊避難を続けていた結果、エコノミークラス症候群で亡くなった方もいらっしゃるなど、東日本大震災などで悲しい事例があったそうです。

また、飼い主とはぐれたペットを放浪状態のまま放置することで、野犬化した犬が住民に危害を加えることもあります。さらに、不妊去勢手術がされないまま放浪状態となった犬や猫が繁殖し増加する恐れもあります。

そういった状況から環境省では、飼い主の責任として、災害時のペットの同行避難を推奨しているそうで、平成 25 年 6 月に「災害におけるペットの救護対策ガイドライン」が作成されました。それを受けて、各自治体でもそれぞれペットに対する方針を出しています。お住いの自治体のホームページなどで確認しておきましょう!

管理人

管理人
我が家にもにゃんこ2匹いるので、備えておかないと!

 

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災害時における飼い主の役割

環境省のガイドラインによると、災害が起こった時に飼い主はペットと同行避難することが基本であるため、平常時から飼い主として意識をもち、ペットの安全と健康を守ることと、他の避難者への迷惑にならないようにしなければならないとして、以下の飼い主が行わなければならない対策をあげてます。

飼い主が行うべき対策の例

平常時

  •  住まいの防災対策
  •  ペットのしつけと健康管理
  •  ペットが迷子にならないための対策(マイクロチップ等による所有者明示)
  •  ペット用の避難用品や備蓄品の確保
  •  避難所や避難ルートの確認等の準備

災害時

  • 人とペットの安全確保
  •  ペットとの同行避難
  •  避難所・仮設住宅におけるペットの飼育マナーの遵守と健康管理

2000万頭近くのペットが飼育されている昨今ですが、残念ながら、ペットの飼育に関する正しい知識や飼育するペットに対するしつけが十分でない飼い主もいるそうです。

環境省によると、東日本大震災時の避難所において、下記のように、飼い主がペットを適正に飼育していないことによるトラブルや飼育マナーに関する苦情、また健康への影響についての報告が多かったそうです。

  • 犬のにおいや鳴き声
  • 避難所内で犬を放し飼いにしていて、寝ている避難者の周りを動き回っていた
  • ペットによる子供への危害が心配
  • 普段からペットに対しノミの駆虫をしていなかったためにノミが発生してしまった。
  • 自分のペット可愛さに過度の要望を通そうとし、他の避難者への迷惑を考慮しなかった。
  • アレルギー体質の方がいることから、避難所内で人と同じスペースで飼育することが難しい

自治体等がペット同行避難者への受け入れ体制を整えていたとしても、実際には、このようなペットの飼育に関する正しい知識やペットに対するしつけが十分でない一部の飼い主がいることで、普段からきちんとしつけや予防接種、駆虫薬の投与をしている飼い主までが制約されてしまう恐れがあり、ペットとの同行避難の実施や避難所での適切な飼育が出来なくなるかもしれません。

環境省としても、同行避難や避難所・仮設住宅においてペットの適正な飼育管理を進めていきたいということで、災害が起こる前に、飼い主として備えておくべきことをあげています。

ぜひ、環境省の『災害時におけるペットの救護対策ガイドライン』をチェックしてみてください。

飼い主が備えておくべきこと

普段の暮らしの中での防災対策

災害時にペットを守るためには、最優先として飼い主が無事でいることが大切です。そのためには、家具の固定など普段の地震対策を行う必要がありますが、ペットが普段過ごしている場所にも配慮することで、ペットの命の安全にもつながります。

また、犬を屋外で飼育している場合は、ブロック塀やガラス窓、倒れやすい建物など、飼育場所の周囲に破損や倒壊するおそれのあるものがないか確認しておくとともに、首輪や鎖が外れたり切れたりして逃げ出すおそれがないか確認しましょう!

ペットのしつけと健康管理

飼い主が、いざペットを連れて避難しようとしても、ペットも突然の災害にパニックになり、いつもと違う行動を取る可能性があります。こうした状況で、人とペットが安全に避難するためには、普段からキャリーバックなどに入ることを嫌がらないことや、犬の場合は、「待て」、「おいで」等のしつけを行っておく必要があります。

避難所におけるペットの飼育においては、犬・猫ともケージやキャリーバックに慣らしておくこと、人や動物を怖がったり、むやみに吠えたりしないこと、決められた場所で排泄ができることで、他人への迷惑を防止するとともに、ペット自身のストレスも軽減することができます。

また、避難所や動物救護施設においては、ペットの免疫力が低下したり、他の動物との接触が多くなるため普段からペットの健康管理に注意し、きちんと予防接種やノミなどの外部寄生虫の駆除を行い、ペットの健康、衛生状態を確保するようにしましょう!

さらに、不必要な繁殖を防止するため、不妊・去勢手術を実施しておきましょう。不妊・去勢手術により、性的ストレスの軽減、感染症の防止、無駄吠えなどの問題行動をおさえる効果もあります。

ペットが迷子にならないための対策(マイクロチップ等による所有者明示)

災害発生時には、やむを得ずペットを残して避難したり、ペットとはぐれてしまう場合もあるため、保護された時に飼い主の元に戻れるように所有者明示をしておく必要があります。犬、猫ともに外から見えて誰でもすぐにわかる首輪と迷子札などをつけましょう。

さらに、脱落の可能性が低く、確実な身分証明となるマイクロチップを装着し、AIPO (Animal ID Promotion Organization(動物 ID 普及推進会議)の略称) に登録するといった対策をしておくことでさらに飼い主の元に戻る可能性が高くなります。

また、犬の場合、狂犬病予防法に基づき、鑑札、狂犬病予防注射済票を飼い犬に装着する義務があります。

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ペット用の避難用品や備蓄品の確保

避難先においてペットの飼育に必要なものは、基本的には飼い主が用意しておくべきです。避難指示などが出た場合、安全に避難場所まで避難できるように、リードやキャリーバックなどの避難用品を準備しておきましょう。

また、ライフラインの被害や緊急避難などに備え、ペットの避難に必要な物資の備蓄を行い、避難が必要な場合は、一緒に持ち出せるようにしておきましょう。避難所などにペット用の救援物資が届くまでには時間がかかる場合があるので、少なくとも5日分(できれば 7 日分以上が望ましい。)は用意しておくとよいでしょう。特に、療法食などの特別食を必要としているペットの場合は、さらに長期間分の用意が必要です。

備蓄品には優先順位を付け、優先度の高いものは避難時にすぐに持ち出せるようにし、人の避難用品とともに保管しましょう。

 

避難用品の例

犬の場合

  • 首輪とリード(小型犬などはリードを付けた上でキャリーバックに入れるのもよい)

猫の場合

  • キャリーバックやケージ(キャリーバックなどの扉が開かないように、ガムテープなどで周囲を固定するとよい)

 

ペット用の備蓄品と持ち出す際の優先順位の例

優先順位1  常備品と飼い主やペットの情報

  •  療法食、薬
  •  フード、水(少なくとも5日分[できれば 7 日分以上が望ましい])
  •  予備の首輪、リード(伸びないもの)
  •  食器
  •  ガムテープ(ケージの補修など多用途に使用可能)
  •  飼い主の連絡先とペットに関する飼い主以外の緊急連絡先・預かり 先などの情報
  •  ペットの写真(携帯電話に画像を保存することも有効)
  •  ワクチン接種状況、既往症、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報

 

優先順位2  ペット用品

  •  ペットシーツ
  •  排泄物の処理用具
  • トイレ用品(猫の場合は使い慣れたトイレ砂)
  •  タオル、ブラシ
  •  おもちゃ
  •  洗濯ネット(猫の場合)など

 

 避難所や避難ルートの確認等

飼い主は、避難指示などが出た場合に備え、住んでいる地域の防災計画や自治体の広報誌、ウェブサイトなどで災害時の避難所の所在地や避難ルートを確認しておきましょう。
また、避難所にペットを連れて行く際の注意事項も、あらかじめ管轄の自治体に確認しておきましょう。

実際に家族でペットを連れて避難所へ行く訓練を行い、所要時間や危険な場所などをチェックしておくことで、より安全に避難することができます。
また、地域で災害対策の会合や避難訓練を行うときなどに、ペットを連れて避難する方法を地域住民で話し合っておくことが望ましいです。

さらに、普段から近隣住民と良好な関係を築けるよう、コミュニケーションや飼育マナーに気を配るとともに、万が一の時にお互いに助け合えるよう、飼い主同士や近隣住民と防災について話し合っておくことも必要です。避難所への避難以外にも、親戚や友人など、ペットの一時預け先も探しておきましょう!

避難訓練でのチェックポイント

  •  避難所までの所要時間
  •  ガラスの破損や看板落下などの危険な場所
  •  通行できないときの迂回路
  •  避難所でのペットの反応や行動
  •  避難所での動物が苦手な人への配慮
  •  避難所での飼育環境の確認

 災害時の心がまえ

人とペットの安全確保

災害が発生した時は、まず自分の身の安全を第一に、落ち着いて自分とペットの安全を確保しましょう。その際、リードをつけたり、ケージに入れるなどし、ペットの安全に配慮しましょう。

 

ペットとの同行避難

避難をする際には、飼い主はペットと一緒に避難する同行避難が原則です。
やむを得ずペットと一緒に避難できず、自宅等に置いてきた場合には、自治体の動物担当部署に相談しましょう。

 

同行避難する際の準備の例

犬の場合

  • リードを付け、首輪が緩んでいないか確認する。
  • 小型犬はリードをつけた上で、キャリーバッグやケージに入れるのもよい。

猫の場合

  • キャリーバッグやケージに入れる。
  •  キャリーバッグなどの扉が開いて逸走しないようにガムテープなどで固定するとよい。

 

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避難所・仮設住宅におけるペットの飼育マナーと健康管理

避難所・仮設住宅では、様々な人が集まり共同生活をするため、動物との暮らしが苦手な方やアレルギーの方もいることを認識しましょう。避難所や仮設住宅では、ペットの飼育管理は飼い主の責任で行いましょう。

衛生的な管理を行うとともに、飼い主同士等で周りの人に配慮したルールを作ることも必要になってくるでしょう。。また、ペットは、ストレスから体調を崩したり、病気が発生しやすくなるため、飼い主はペットの体調に気を配り、不安を取り除くようにしましょう。

まとめ

天災はいつ起こるかわかりません。
ペットがいることによってつらい避難生活の中での心の安らぎや支えとなったという声がありますが、一方では、苦情や衛生面でトラブルになることもあるのは事実です。
ペットを守るのは飼い主であることを再認識して、家族の一員であるペットの安全確保が行えるよう、日ごろから備えておきたいものです。

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