花粉症の基礎知識、メカニズム、予防方法は?

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くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、のどのかゆみなどで毎年悩まされる花粉症。
花粉症の主な原因であるスギ花粉ですが、春に飛散するスギ花粉飛散量は前年夏、特に7月の日照時間に大きな影響を受けるそうです。2017年7月の日照時間は全国的に平年並みか多くなりましたこのため、2018年春のスギの花粉飛散量は、全国的に2017年春より多くなり、東北地方から関東地方にかけての花粉飛散量は、2017年春の3倍から4倍、その他の地域も1.2倍から2倍と多くなる見込みだそうです。

花粉症患者は年々増えているそうです。東京都が平成29年12月に発表した花粉症患者実態調査報告書(平成28年度)によると、東京都民の約半数である48.8がスギ花粉症であるそうです。第1回の昭和58~62年度の調査では10%、第2回の平成8年度の調査では19.4%、第3回の平成18年度の調査では28.2%、と年々増加しているのが分かります。

すでに飛散しているスギ花粉。毎日つらい思いをしている方もこれからの方も、花粉症について知識を得て、しっかりとした対策をたてましょう!

管理人

管理人
私もスギ花粉症の1人。。。

花粉症が増えている理由

では、なぜ年々花粉症に悩まされている人が増えているのでしょうか。原因を見てみましょう。

スギ花粉の増加

戦後昭和30年代、大量植林されたスギが、開花適齢期を迎え花粉を多く付けるようになったことと、スギの建築資材としての価値が下がり、そのまま放置されていることが、花粉の飛ぶ量が増えていることと関係しているようです。

 

大気汚染・排気ガス

車の排気ガスなどで汚染された大気中の多くの微粒子が原因となって、花粉症を起こしやすくしていると考えられます。また、舗装道路の増加に伴い飛んできた花粉が一度地表に落ちても風が吹けば舞い上がり、いつまでも花粉が漂っていることも原因として考えられます。

住宅環境の変化

住居やオフィスの近代化に伴い、気密性が高まり、通気性の少ないダニ・カビの温床をつくり、アレルギーを起こしやすくしています。

 

食生活の変化

高タンパクや高脂肪の食生活を続けていることが、アレルギーを起こしやすくしているそうです。食物を食べ、腸から成分が吸収される際に、体がある特定のたんぱく質を異物だと認識すると、血中のIgE抗体と呼ばれるたんぱく質が反応してアレルギー症状が出るそうです。

ストレス社会

ストレスにより、自律神経が乱れることで、副交感神経(リラックスしている時や体の回復過程の時などに働く)よりも交感神経(動いている時やストレスを感じている時などに働く)が優位になり、良質な睡眠が取れず体が休まらないので免疫力の乱れを招きます。
さらに、ストレスが限界を超えると、自律神経が疲れ切ってしまい、免疫力を抑えるホルモン「コルチゾール」の分泌がされず、免疫機能が抑制できないため、過剰に免疫が働くことになり、アレルギーが酷くなるのです。

花粉症を起こす代表的な植物

花粉症を起こすのは、スギばかりではありません。日本にはスギ以外の樹木や草の花粉症が知られています。スギ花粉症の時期ではないのにくしゃみが止まらない、目がかゆい、などの症状が出ている方は、もしかしたらスギ以外の花粉症かもしれません。良く知られている代表的な植物を紹介したいと思います。

針葉樹・・・スギ、ヒノキ
カバノキ科・・・ハンノキ、シラカバ
ブナ科・・・コナラ、クリ
イネ科・・・カモガヤ、オオアワガエリ
キク科・・・ヨモギ、ブタクサ

花粉が飛びやすい日

花粉症の対策をする前に、花粉が飛びやすい気象情報を知っておきましょう!これらの日はなるべく早く外出しないことをおすすめします。

  • 晴天、またはくもりの日
  • 前日に雨が降った日
  • 日中の最高気温が高い日
  • 湿度が低く、乾燥した日
  • 強めの南風が吹き、その後北風に変化した日

花粉症のメカニズム

もともと人間にはウイルスや細菌などの異物が体内に入ってきたとき、それらを体外に排除するための免疫機能が備わっています。

  1. 私たちの体は、「花粉」という異物が侵入するとまず、それを体内に受け入れて良いかどうかを判断します。この異物のことを「抗原(アレルゲン)」といいます。
  2. 体内に異物である「抗原(アレルゲン)」が入ってきたときに、異物を退治する「抗体」という武器を作り、体外に排除しようとします。花粉は人体にとって無害であるはずですが、身体を守るための免疫機能が働いてしまい、花粉を抗原(アレルゲン)とみなして、IgE抗体」というタンパク質の一種を作ります。
  3. IgE抗体ができた後、再び花粉が体内に入ると、鼻や目といった粘膜や皮膚にある白血球の一種である肥満細胞の表面にあるIgE抗体と結合します。
  4. その結果、肥満細胞から化学伝達物質(ヒスタミンやロイコトリエン)が分泌され、花粉をできる限り体外に出そうとします。ヒスタミンは痛みやかゆみを知覚する知覚神経に作用し、その刺激がかゆみとして脳に伝えられると同時に、その刺激は神経の末端にも伝えられます。また鼻の神経を刺激してくしゃみ・鼻水を、目の粘膜ではかゆみを引き起こします。ロイコトリエンは、血管拡張作用により粘膜を腫らすことで、鼻詰まりや、目の腫れ、充血を引き起こします。

花粉症の症状

では、花粉症の症状として、どのような症状が出るのでしょうか。ご自分にこのような症状があるかチェックしてみましょう!

風邪やインフルエンザと時期が重なるため判断が難しい場合がありますが、これらの症状がある場合は花粉症かもしれません。

くしゃみが5回、10回と1日に何度もたて続けに出る
透明でサラサラの鼻水がたくさん流れ出る
鼻づまり
鼻の奥がムズムズする
苦しくて眠れない

のど

のどがかゆい
イガイガする
味覚がはっきりしない

管理人

管理人
私は、のどのかゆみがあるわ。。。
皮膚

かゆい
顔が腫れぼったくなる
肌にピリピリした感じがある
化粧のノリが悪い
皮膚がかぶれる

頭痛
微熱
頭がボーッとする
集中力がなくなる

目がかゆい
充血
涙がたくさん出る
目がゴロゴロする
目がただれる

気管

コホンという乾いた軽いせきが出る
ぜんそくのような症状が出る

耳の奥がかゆい

自分で出来る花粉防御対策

花粉症の症状を少しでも楽に乗り切るために花粉が体内に入らないようにする注意や工夫が大切です。
有効な対策方法をご紹介します。

外出を控えめに

花粉の時期はなるべく外出しないようにしましょう。どうしても外出しなければならない時は、花粉情報に気を付け、1日のうち飛散の多い時間帯(午後1時~3時)の外出はなるべく控えましょう。再び日没後の18~19時にかけても飛散量が多くなります

顔周りの花粉の侵入を防ぐ

目・鼻・口から花粉の侵入を防ぐため、プロテクター付のメガネやゴーグル、マスク、スカーフ、帽子を着用するようにしましょう。

 

服装に気を付ける

外出時のコートや上着には、花粉が付きにくい素材を選びましょう。綿やウールなどよりも、ポリエステル製などで表面がツルツルした素材のほうが花粉は付きにくくなります。

車の中も気を付ける

花粉の侵入を防ぐために、車の中の通風口は閉じるようにしましょう。最近では、花粉対策用のフィルターが装備されている車も多いようです。

玄関のドア前で花粉を払い落とす

衣服などについた花粉は、きちんと外ではらいましょう。玄関で洋服全体をブラッシングして花粉を落とし、室内に持ち込まないようにすることが大切です。

帰宅後は洗顔やうがいを

帰宅したら手洗いや洗顔、うがいをきちんとして花粉を洗い流しましょう。また、500mlの沸騰させた湯冷ましに小さじ1杯弱の食塩を溶かした生理食塩水(0.9パーセントの濃度)で、鼻うがいや目の洗浄を行うのもおすすめです。

布団や洗濯物は室内干しで

外に布団を干してしまうと花粉がついてしまうので、外に干さず、布団乾燥機などを利用しましょう。
どうしても干したいときは、花粉の飛散量が少ない午前中に干し、取り入れる際は花粉をはたいて、さらに布団の表面を掃除機で吸うようにしましょう。
また、洗濯物も部屋干しした方が良いでしょう。どうしても、外干しする場合、外に干した洗濯物を取り込む際は、柔らかく振り払ってから取り込みましょう。

ドア・窓を閉める

換気のためには窓開けが大切ですが、花粉が多く飛散する日と飛散する時間には、閉め切るようにしましょう。

室内の掃除

花粉は室内にも潜んでいます。カーテン、カーペット、ソファなどに付着した花粉を取り除くには、こまめに掃除することがいちばんです。掃除のときには、舞い上がる花粉やほこりなどの影響を防ぐためマスクをしましょう。

規則正しい生活

早寝早起きをする、バランスのとれた食事をとる、適度な運動をするなどして、規則正しい生活リズムを作り、体調を整えましょう。

ストレスをため込まない

日頃から、趣味やスポーツなどでストレスを発散し、ストレスをため込まないよう心がけましょう。

 

 

 

 

まとめ

今回は花粉症の基礎知識を紹介しました。

春は花粉症の人にとってはつらい季節ですが、花がほころび、うきうきする素晴らしい季節です。花粉症対策をしっかりして、素敵な季節を楽しみたいですよね!

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